INDEX■
GUNDAM-00■


5話まで
10話まで
15話まで
20話まで
25話まで
30話まで






・さあ、気になる引きで終わりましたけれども……わかってるんです
 引きが強いときほど翌週外して流す! それが機動戦士ガンダム00です
 当サイトでもそんな00をお送りいたします
 └どんなだよ
  └お送りいたします!




 炎のなかにいたガンダムの姿に刹那は「まさか」とつぶやいた
そうよ……そのまさかよ!!
 その貌とセリフは、あるいは刹那の直感が視せた幻だったのかもしれない

 ♪コワシアッテェー ワカリッアッテタコォトモォー
  オキザリニシタァー コレガッナレノッハァーッテナノォー


○31.傷痕

 アロウズの襲撃により、カタロン本部はめちゃめちゃに破壊されてしまった
愕然とする生存者たち。そういえば使い捨てなんですねオートマトンって
「子どもたちを来させないで! しばらくシェルターのなかに」
 シーリンや子どもたちは無事だったようだが、ティエレンの残骸から降りたクラウスは
3年以上かけて準備していた組織をめちゃめちゃにされてしまったと消沈した
 戻ってきていたガンダムマイスターたちにつめよるカタロンメンバー
「きさまたちがここの情報をもらしたのか!」
「そんなことはしていない」
 ティエリアの弁解を信じられるはずもなく、ひとりが拳銃を向けたが
「やめろ! こいつらはなにもしてねえ! 信じろよ!」
「けどよお……仲間が……」
「わかってる。仇はとる……!」
 カタロン気分の抜けないロックオンことライルが制止する。スパイ失格だと思うが
ティエリアはほかのことが気になっていた。「いったい、だれがアロウズに?」
「あ……ああ……あああ……」
 基地に足を踏み入れ、その惨状にただうろたえる沙慈くん
逃げだそうときびすを返したかれの肩をティエリアがつかんだ。話はやーい
ここじゃなんだからひと気のない廊下で話を聞こうか、と移動
「なにをした?」
「ぼ、ぼくは……」
「したんだな? だれだきみは。アロウズのスパイか?」
 したんだなって……

 プトレマイオス2のブリッジでは
「こいつは……」
「これが、アロウズのやりかたか!」
「ミレイナは見ちゃだめ」
「は、はいです」
 おやっさんやラッセが眉をしかめ、フェルトがミレイナをブリッジから連れだし
そしてスメラギさんはモニターのなかの光景を目にし、構成員の鎮魂の文句を聴き
「……はっ!?」
(かのために生まれ、かのために死す。それを運命というなら……抗うことかなわず)
 トラウマスイッチが入ってしまった。AEUの制服を着ていた『クジョウ』の記憶
『友軍の可能性があります!』
『敵じゃない!?』
(視えない道を旅し、行き着く先にあるものは、命の終焉……それこそが、神の導き……)
『エミリオ……エミリオおおー!!』
 愛しいものの亡骸にすがりついた、後悔の記憶。それに耐えかねて
「あっ……ああっ……」
「お、おい! どうした、スメラギさん!?」
 スメラギさんは意識を喪い、倒れた

 バシーン
「なんという……なんという愚かなことを!」
 GN平手打ちでよろめいた沙慈くんにもっともなお説教を開始するティエリアさん
手短におねがいしますね? あまり長びかせるとこのアニメの人気がおちる
「いいや、10分ほどやる!」
「こんなことになるなんて……思ってなかった……
 ぼくは、戦いから離れたかっただけで! こんなこと……ぼくっ……」
「かれらの命を奪ったのはきみだ! きみの愚かなふるまいだ!
『じぶんはちがう、じぶんには関係ない、ちがう世界のできごとだ』
 そういう現実から目を背ける行為が、無自覚な悪意となり、このような結果を招く!」
「っ!? ぼくは、そんな、つもりじゃ……うわああーああああ〜」
 ほら、当人もこたえてるようですし……あと刹那もなぜか無事帰ってきたし
「しかたがないな」
「ティエリア。どういうことだ? あと、だれと会話しているんだ」
「アロウズのしわざだ。そしてその原因はかれにある」
「沙慈・クロスロード……」
 沙慈くんはひたすら泣きくずれるばかりであった
 そしてシーリンのところにも泣いてるひとが戻ってきた。マリナ皇女である
「シーリン! アザディスタンが……わたしたちの故国が!」
「アザディスタンが……?」

 アロウズ空母では、MS2機を損失したとはいえ作戦を成功させたカティさんが
不機嫌そうなのを見て、リント少佐がおもしろがっていた
「これは勲章ものですよ、マネキン大佐」
「黙れ」
「おや? 掃討戦はおきらいですか? わたしは大好きですよ」
「人殺しを喜ぶというのか!?」
「なぜそれほどまでに興奮なさっているのですか?
 あなたも以前、おなじようなことをやっているではありませんか。いやはや……」
 誤情報による友軍同士の戦い。マネキン大佐は当時、AEUの戦術予報士だったのだ
「あんなことがあれば、にどと戦争に関わりたいと思わないはず
 それがなかなかどうして……尊敬させていただきますよ、マネキン大佐?」

 マイスターズも輸送機に戻り、刹那はアザディスタンが焼かれたことを報告する
連邦のしわざによるものかは不明だが、攻撃にはガンダムが加わっていた
「ガンダムが?」
「おそらくあの機体は……」
 そのとき、アレルヤがプトレマイオス2からの通信をキャッチした
「スメラギさんが倒れたらしい。トレミーへの帰投命令が出ている」
「わかった、戻ろう」
「きみも来い。ここにいたら、なにをされるかわからないからな」
 沙慈はなにも答えず、うなだれるばかりであった

 アザディスタン都市部の主要施設はのきなみ破壊され、警察も軍も機能していなかった
それでも残ろうとしたマリナを刹那が強引に連れ戻したというのだ
「かれに感謝しなきゃね」
「なにを!? わたしは死んでもよかった! アザディスタンのためなら、わたしはっ……!」
「マリナ……」
 とり乱すマリナ皇女の肩を、さすがになにも言わずそっと抱いてやるシーリン
マリナもそんなレアな態度を示すシーリンにすがりつき、涙を流すのであった

「ソレスタルビーイングが、ここを離れる資材や食糧を早急に手配するそうだ
 ほかの施設への移送が完了するまで、おれたちが護衛にまわる」
 ロックオンがクラウスに告げる。よく考えると話の伝えかたがヘンな気がする
カタロンからのスパイだということは刹那しか知らないんではないのか?
ロックオンが伝言を買ってでたということだろうか? まあそれでいいか
「そうか。助かるとかれらに伝えてくれ……
 いったいだれが、ここの情報を流したんだろうな……」
「スパイのおれにそれを聞くのか?」
 なんだか誤解を招きそうな発言をするロックオンであった

 そして王留美邸では、支援要請に「おやさしいことね」と皮肉をもらすリューミンさん
「いったいだれの影響かしら?」
 救援の手配をひきうけようとする紅龍に対して
「ネーナ・トリニティにお願いするわ。イノヴェイターをあざむくためにも
 かのじょの能力は必要不可欠。あなたでは分不相応なのよ紅龍……いえ、おにいさま?」
 なんだってえ!? 義理? それとも女系家族とかそういうの?

 マネキン大佐がリント少佐とじぶんは変わらない、と自嘲しているころ
失神したスメラギさんは医療カプセルでチェックを受けていた
倒れたのは精神的ショックによるものでほっとけば起きるとのこと
「いったい、スメラギさんになにが……」
「わからん……ただ、今回の虐殺事件が原因であるのはまちがいないな」
(エミリオ……)
『おれは、きみの戦術予報を信じる』
『優秀すぎたんだよ、きみたちは……マネキン、クジョウ』
「! ガンダムたちの戦術は、かのじょのやりかたに似ている……
 まさか、クジョウが……!? 真実はいつもひとつ!」
 カティさんやっと気づいた
 そしてソーマくんは自室でまだ虐殺について悩んでいた
「あれが……いいえ、あれこそがほんとうの戦場……」
 そこへ大佐から暗号文によるメール
「どうして、頂武のみで使用されていたもので……?」
 前期はずっと超武だと思っていたしそう表記してましたが、頂武が正しいそうです
『アロウズに気づかれたくなかったのでな
 中尉がカタロン殲滅作戦に参加したことを聞いた
 そのことでわたしはきみに謝罪しなければならない』
「! 大佐が入手した情報で……? そんな……大佐自身もつらいはずなのに
 わたしをこれほどまで気づかって……」
 養子にならないかと持ちかけられたときのことを回想するソーマくん
『さすがにソーマ・スミルノフという名前は、語呂が悪いか……?』
 そう?
『ピーリスという名がなくなるのは、すこしさみしく思います』
『気に入っていたのかね』
『その名で呼ばれていたことを、忘れたくないのです……』
「っ……! ありがとうございます大佐。大佐のおかげでわたしは
 じぶんが超人特務機関の超兵壱号であることを再認識しました」
 ソーマ・ピーリスは涙を流しながらなにごとかを悟っていた
 そのころ大佐はわざわざ出向いてきたリント少佐にひっぱたかれていた
もちろん沙慈くんを逃がしたからである
アロウズは三階級上だ! 一般将校は黙っていろ! 的なセリフも出たりして
大佐はとりあえず任務を続行しつつ、上層部の処分を待つ身となった

「アザディスタンへの攻撃。連邦が中東再編に着手……」
 GN輸送機(仮名)で移動中のネーナはヴェーダのニュース速報を読んでいた
どうやらサーシェスは連邦正規軍所属のようです。そしてカタロン基地が見えてきた
「さあて、お仕事お仕事!」
 さあてCMCM



 ジニン大尉以下、ルイス含む5名が補充兵としてマネキン大佐のもとに着任した
「大尉、貴官はどうしてアロウズに?」
「はい、統一世界発展の礎となるべく、みずから志願しました」
 後悔はないと言いきる大尉に、大佐は「そうか……」とだけ答えた

 トレミーに再集結したマイスターズだったが、スメラギさんの意識は依然戻らず
カタロンへはネーナ機が輸送物資を提供していた。ていうか刹那たちも色で気づけ
 ともかく移送まえにアロウズの襲撃があるだろうのでガンダムで対応せねばならない
「しかし、戦術は? スメラギさんが倒れたこの状況では……」
「それでもやるしかないだろう」
 弱気なアレルヤにラッセは告げた
そもそもスメラギさん復帰してからまだ役に立った回数のほうが少ない気がするんだ
「トレミーを海岸線に向ける。敵さんに見つけてもらわないとな」
 マリナに見送られつつ発進したトレミーの艦内で、沙慈くんは悩んでいた
そして光学迷彩を解き、囮となるプトレマイオス2
あとは敵に見つかるのを待つばかりであった

「わたしは超兵……どんな任務でも忠実に実行する……そのために生みだされた存在」
 ソーマくんが格納庫でMSを眺めながらひとりごとを言っていると
「補充要員として着任したルイス・ハレヴィ准尉です」
 ルイスがやってきて自己紹介。なんだか奇妙なとりあわせである
「あなたムリをしている。わたしの脳量子波がそう感じる
 あなたは心で泣いている。だれかをずっと想っている」
「そんなこと……」
 そこにブリーフィングの開始を報せるためアンドレイも登場
「中尉、ここにおいででしたか……きみは?」
 ルイスがふたたび名乗り、中尉に促されて小熊くんも返礼する。しかしその脳裏で
(乙女だ……!)
 とか思っているとはまさかルイスも気づかなかった
つうかこれ『やっぱり親子ですね』という描写なんだろうが……どうなのこれ……
 ブリーフィング・ルームに一同集合。迷彩を解除したトレミーをMSで攻撃する
ふつうの作戦だが、参加者にふつうじゃないのがいた
「肩に動力のある、2個つきのガンダムはわたしがあいまみえる
 干渉、手助け、一切無用!」
「なんだと?」
「いいではありませんか、大佐。ライセンスを持つ、うわさのミスター・ブシドー
 その実力、拝見したいものです」
 ジニン大尉は本気で興味があるのかばかにして言ってるのか謎だった

 敵がやってくるのも時間の問題。トレミーは迎撃のためガンダム4機を出撃させる
「セラヴィー、ティエリア・アーデ、いきます」
「アイ・ハヴ・コントロール。アリオス、アレルヤ・ハプティズム、迎撃行動に入る」
「ケルディム、ロックオン・ストラトス。狙い撃つ!」
「ダブルオー、刹那・F・セイエイ、出る!」
 新ロックオンはどうも『狙い撃つ』を言うタイミングがおかしかった
「カタロンのひとたちを護るんですよね!? ぼくにも、なにか手伝わせてください!」
「気持ちだけうけとっておくよ」
 沙慈くんの申し出はラッセさんにあっさり流された
「なにか、しなきゃ……!」
 なんだかとってもいやな予感

「これより各小隊に分かれ、ガンダムを各個撃破する!
 ドライヴふたつのガンダムはまかせますよ、ミスターブシドー!」
「望むところだと言わせてもらおう」
「わが隊の目標は、羽つきだ!」
「了解です、中尉」
「ついにこのときが来たよ……ママ、パパ……」
「ガンダムを視認! 全機、攻撃開始!」
 それぞれの思いを胸に、ガンダムVSアロウズによる初の総力戦が始まった

 セラヴィーの牽制をかわしたGN−X3を、ケルディムの狙撃が撃破する
「メイチュウ! メイチュウ!」
「言ったろう? 本気モードだって」
 いや、いつも本気出してくださいよ
「この感覚……!」
「被験体E−57!」
 変形を駆使し、高機動戦闘をくりひろげるアリオスに、アヘッドが近接戦闘を挑む
「まさかっ……マリーなのか!!」
 たがいに命中弾を与え、アヘッドの肩アーマーがふきとぶ
「中尉っ!」
 ルイスのGN−Xがランスをかまえて文字通り横槍を入れようとするが
トレミーの艦砲射撃がそれをさえぎった
「ジャマをして!」
「ハレヴィ准尉!」
 トレミーへ向かっていくルイスに、アンドレイがつづく
 ラッセは操舵を担当しているため、おやっさんが砲手につくことになる
そして、もうひとり──

「監視衛星に艦をさらし、力押しでくる!? クジョウではないのか……?」
 MSを2機撃破されたアロウズの空母ブリッジでは、急に大味になった敵の行為に
敵の内情を知るはずもないマネキン大佐が戸惑っていた
「大佐! ブシドー機が!」
「!?」
 トレミーでもブシドーアヘッドの超高速機動はキャッチされた
「ダブルオーに向けて突進してくる機体があるです! トンデモ速いです!!」
 ミレイナふつうにしゃべれ
「あの新型は!?」
 ダブルオーをサーベルで圧倒するアヘッド
「射撃もうまくなった! それでこそだ少年!!」
 このマスクドグラハムはなぜ刹那を知っているかのような口をきくのだろうか
仮面の下に隠されている素顔にはいったいどんな秘密が……
「イアンさん! ぼくにも手伝わせてください」
 責任を感じ、カタロンを護りたいという沙慈に「ついてこい」とおやっさん
 そしてスメラギさんがようやく目を醒ます
「さすがアロウズ……手練が多い!」
 敵の数が多いんだからセラヴィーがなんとかしないといけないので
ティエリアは感心してるばあいじゃないと思います
それにしてもジニン大尉って地味にすごいのではないだろうか
「操作方法はわかったな?」
「はい……」
 かくしてサブブリッジで砲撃を手伝うことになった沙慈くん
『敵機が2機、本艦に接近中です!』
「突破されたか!? 撃て! 砲撃だ!」
 照準内のGN−Xを、しかし沙慈は撃てない。脳裏にはかつてのじぶんの発言が渦まき
(ひとを殺せば、きみたちとおなじになる──)
「なにしてる!? 撃て! どうした、早く!!」
(戦えば、また罪のないひとが傷つく!)
「……くっ、来るな」
(きみたちは憎まれてあたりまえのことをしたんだ)
「来ないでくれ!」
(あの子どもたちもきみたちの犠牲者だ!)
「ぼくはっ……!!」
 いやもうおやっさん代われば? とか思ってる間に
ルイスのGN−X3が肉薄し、怨みの刃がプトレマイオス2に向けられ
「ぼくはああああああ!!」
 そしてトリガーを絞ろうとする沙慈・クロスロードの指

 ♪ジュンシンーサガー シンプールーナーチーカラーニー

 EDはいい! そのあとどうなったんだ!? という視聴者の心理を
巧みにくすぐり、そっちの展開は不明のまま場面転換してしまいます

「手を抜くか! それともわたしを侮辱するかっ!」
「このままでは……」
「ガンダム──引導を渡すっ!!」
 あれだけ止められていたトランザムを使ってしまう刹那、そして

「やめてくれマリー! ぼくだ、アレルヤだ!」
「わたしは、超兵だ!!」
 ピーリスアヘッドのサーベルがアリオスの胸部を抉り、火花散るコクピット
「はあああーっ!!」
「だあっ! ま……マリーっ!!」
 それでも伸ばされたアリオスの手は、アヘッドに届くのか



31.傷痕 Closed


○キャラクター
●刹那・F・セイエイ
(あのガンダム……いや、いまはこの戦いを!)
・目のまえの変態を見逃してたら……逃げた男を気にする資格なんかないもんね!
 └いやな泉野明だな
・しかし使うなと言われて使わない刹那なんてやっぱりありえなかったね
 └やられちゃったら元も子もないしなあ
●アレルヤ・ハプティズム
「脳量子波がなくても……」
・というかハレルヤ消えてからやばいな。存在感なさすぎる
 └かといって復活されてもなんだかやっぱりねえって感じがするしな
  └わがままなファンもつとシールドクローするね!
   シールドクローとシルクロードとサジクロスロードってニテユよね?
   └停まれ
●ティエリア・アーデ、沙慈・クロスロード
「ち! ちがう! ぼくは!」
「わけを話してもらうぞ。沙慈・クロスロード」
・沙慈くんにはあたりがきついティエリアくんであった
 └むかしの問答無用万死に値するみたいなのとは微妙にちがうけどねえ
・今回ロックオンがじぶんに向けられた拳銃をどけるのを見て、ティエリアが
 先代の姿を思いだして内心おだやかでなかったりするとおもしろいな
 └そういうのはフェルトひとりにまかせとけばいいよ
・沙慈くんの逡巡を責めることはできないが、それでまた犠牲が出てしまったら
 さらに後悔する結果になるわけで……
 └むしろ、今回のは罪悪感をまぎらわせるための行動だからねえ
  └ともあれこのあとの展開以降、本格的に加入することになるだろうか
   └そのばあい、コードネームは本名よりさらにヘンなんだろうか
    └だれもルイスの心配はしてないんだなあ
     └今回はルイスよりむしろ、おやっさんのほうがピンチじゃない?
●ロックオン・ストラトス、ハロ、クラウス
「ハロ、きょうは本気モードでいくぜ」
「リョウカイ、リョウカイ」
「3年以上もの期間を費やして、築きあげてきたものが……」
・そろそろロックオンの技術の秘密を明かしてくれないでしょうかねえ
 └カタロンでひそかに訓練してたにしても、ここまで腕がいいのは謎だ
  └じつはクラウスもガンダムに乗ったらめちゃめちゃ強いとか!
   └ねえよ!
●ミスター・ブシドー
「ご期待にはお応えしよう。しからば!」
・出オチすぎてなんだかもう……
 └好きだけど最近もうさっさと死んでくれないかなと思いはじめた
  ├言いすぎじゃない?
  └いや死ねって思ってる
   └言いすぎだろ!?
●スメラギ・李・ノリエガほかトレミーのみなさん
(わたしの、エミリオ……)
「オートでの砲撃だと、相手に当たらないです!」
「くそっ、リヒティがいてくれれば……」
「おれがサブブリッジに行って、砲撃を担当する! 操艦に集中しろ」
・元カレの存在が確定してますますカタギリが不憫に
 └そういえば出てこないな。いまごろごっつい新型を開発してるのか
・リヒティの名前が出てきたのが地味にしみましたね
 └フェルトの髪型が変わったのもクリスを意識してとかいう話らしいなそういえば
・そしておやっさんの無意味な忍耐力は驚嘆に値する
 └じぶんで撃てや
●マリナ・イスマイール、シーリン・バフティヤール
「それでも、わたしはあの国に……ラサーに託された国を……!」
「よく戻ってきたわね……」
・気持ち悪い! シーリンがやさしいとなんか気持ち悪い!
 └ひでえ言いぐさだ
●ソーマ・ピーリス、セルゲイ・スミルノフ
「わたしは兵器です。ひとを殺すための道具です! 幸せを、手に入れようなど……!」
「もうしわけありません。今回の責任はひとえにじぶんにあります」
・ちょっと待って先週にひきつづきソーマくんの思考の流れがよくわからない
 └つまり大佐がこんなにじぶんを気遣ってくれているのにひきかえ
  あの虐殺を見て『あれこそが戦場なのだ』と思いこもうなどとしていたじぶんは
  やっぱり人間らしい心を持っていない超兵なのだ! ということ?
  └ムリがあるなあ
●アンドレイ・スミルノフ、ルイス・ハレヴィ
「小隊長、ハレヴィ准尉が敵母艦に! じぶんがサポートします」
「ソレスタルビーイングっ!!」
・惚れたな小熊くん
 └しかし脳量子波によればルイスはまだ沙慈くんに未練が……
  └きっと『メールの返事はパパママの仇を討ってから!』とか願懸けしてるんだよ
   └やな乙女だな
●カティ・マネキン、アーバ・リント
「言うな!」
「また味方に手をかけるのですか?」
・豆知識:手をかけると手にかけるは意味がちがうんだよ!
 ├知りませんよ
 └しっかしアラスカのジョシュアとおなじ道をたどりそうだねこのひと
●バラック・ジニン
・地味に奮戦中
 └すぐ死にそうだったのにな……貴重なノーマルアヘッド代表パイロットだからか
  └このプラモにジニン大尉はついていません?
●ネーナ・トリニティ、黒ハロ
「あーあ、ハデにやられちゃって」
「シャーネエナ! シャーネエナ!」
・あら黒ハロさんおひさしぶり
・こいつが来週ルイスとかちあったりする可能性は?
 └低そうだなあ
●王留美、紅龍
「あなたに脳量子波が使えて?」
「そ、それは……」
・なるほど脳量子波を使えないとヴェーダの情報網を改ざんできないという……あれ?
 └ヴェーダへのアクセスも脳量子波によるものなのか?
  └するとアレルヤやソーマくんもヴェーダに干渉できるってこと?
・しかし兄妹だったとは……わりとどうでもいいサブ設定っぽいから
 今後さらに明かされることがあるんだろうか心配です
○メカニック
●ダブルオーガンダム
・2個つき呼ばわりされているダブルオー、ブシドーにとっつかまって活躍できず
 └トランザムの結果どうなってしまうのか……?
  └パワーアップフラグみたいなトラブルにみまわれそうではあるね
●セラヴィーガンダム
・以前みたいに敵を蹴散らせないため目立てません
 └『くっ……早くも隠された性能を見せなければならないか!』
  └『こ、これは!? 足の裏にも顔が!?』
   └妖怪じゃないですか!!
●ケルディムガンダム
・ひそかに撃墜スコアを稼いでおります
 └でもINSHOWうすいよ?
  └例の隠しギミック披露までこの調子なんかなあ
●アリオスガンダム
・今回はトランザムなしでも苦戦中
 └相手がマリーとわかって手が出せないせいもあると思いますね!
  └だからって活躍もないままコクピットに穴開けられてちゃ機体もたまらんわ!
●GN−X3
・あれ以来ビーム撹乱幕を使わないな。基本戦術じゃないのか?
 └大気圏内でもおなじように使えるのかな、あれ
●アヘッド
・武装が正統派すぎて戦闘が単調に見える気がする。ミサイルとかないのかね
 └バリエーションは豊富そうだけど飾りのバリエだけみたいだしなあ
●プトレマイオス2
・ふつうに人数が足りないとか……なにやってんだ
 └しかもモレノさんがいないから、ケガ人のケアもできないんじゃないか
  ├ケガどころか、ふだんのメディカルチェックもできないよ
  └4年間でミレイナ以外増員してないってのも困ったもんですな
●GN輸送機(仮)
・なかにスローネドライのパワーアップ版を積んでたりは……しないか
 └この状況でさらにやつまで来たら収拾つかなくなりますからー
○総評
・ルイスは死なないとたかをくくってはいるけど、そろそろだれか死にそうではある
 └キャラ多いものな
・この調子で推移していくのはいいけど、メリハリというか平和な話も観たいなあ
 └といってもどのキャラもこじれてるからな……
  └そろそろ新キャラのイノヴェイター女子と刹那のロマンスとか、こう
   └あいつら性別あんの?
●次回予告
 アレルヤとピーリスによって露呈する過去
 それは、マリーとの再会。それは、ピーリスとの別れ
 次回「再会と離別と」
 わたしはあなたの娘になりたかった

 ・ソーマ・ピーリスの人格が消滅するということだろうか……
  ├仲間になったりということはありうるんだろうか。機体がないよな
  └セルゲイ大佐のパイロットスーツ姿は回想っぽいし、あっちが死ぬことはないかな
   └とりあえずはないんじゃないかな
    └そんなに殺したいのかねきみたち



・いやあもうすごかったですね。予想はついていましたけど
 今週はものすごくガンダム……ガンダムSEE……
 └アス……カガ……シン……ステ……
  └もういいから!




『敵機が2機、本艦に接近中です!』
「突破されたか!? 撃て! 砲撃だ!」
 照準内のGN−Xを、しかし沙慈は撃てない。脳裏にはかつてのじぶんの発言が渦まく
(ひとを殺せば、きみたちとおなじになる──)
「なにしてる!? 撃て! どうした、早く!!」
(戦えば、また罪のないひとが傷つく!)
「……くっ、来るな」
(あの子どもたちもきみたちの犠牲者だ!)
「ぼくはっ……!!」
 いやもうおやっさん代われば? とか思ってる間に
「ソレスタルビーイングっ!!」
 ルイスのGN−X3がトレミーへと肉薄し
「ぼくはああああああ!!」
 だがトリガーが引かれるまえに、プトレマイオス2の艦隊は回避運動をとり
すれちがいざまに発射されたGNミサイルによってルイス機は右腕をもがれ、硬直
さらに襲ってくるミサイルがルイスを撃墜しようとする
 爆煙が晴れたとき、そこにいたのはシールドでミサイルを防御したアンドレイのGN−X3
ルイスはむちゃな突出をたしなめられ、2機して後退するのだった
「撃てなかったか……いいさそれで」
 銃座のトリガーを握りしめたままうなだれる沙慈に、イアンはむしろ安堵したかのようだった

 ♪ミトメナイデェー タチムッカッタァトォキモー
  オチテクットキーノイメェジカラッニゲーダッセェズーニィーイー


 どうもふつうに日本語として聴きとれてしまうのがこの歌の難点ですね(いいがかり)

○32.再会と離別と

 すべてが謎に包まれた男、われらがミスター・グラハムこと仮面のブシドーは
大型ビームサーベルで刹那のダブルオーガンダムを圧倒していた
「歯ごたえがない」
「くう!?」
「手を抜くか、それともわたしを侮辱するかっ!」
 左のブレイドを切り裂かれてしまうダブルオー
「このままでは……」
「ガンダム──引導を渡すっ!!」
 あれだけ止められていたからには逆にもうトランザムを使うしかなかった
たぶんそういうネタフリだとしか思えないし、いいよな? と刹那は軽く考えていたと思う
真紅に染まったダブルオーは超機動を見せ、ブシドーは驚き、そして歓喜の叫び
「これは……そうだ、これとやりたかった!!」

「やめてくれマリー! ぼくだ、アレルヤだ!」
「わたしは、超兵だ!!」
 ピーリスアヘッドのサーベルがアリオスの胸部を抉り、火花散るコクピット
「はあああーっ!!」
「だあっ! ま……マリーっ!!」
 それでも伸ばされたアリオスの手は、アヘッドをがっちりと掴む
サーベルが胴体に深々と食いこみ、小爆発とスパークがコクピット内まで届くが
アレルヤは一顧だにしなかった。そんな必死なアレルヤをエフエルコムも応援しています
「もう離さない、マリー!!」
「こいつ……?」
 たがいに動きを封じられたまま、森へ落下していく2機のMS

 そしてダブルオーもブシドーアヘッドの右腕を斬りおとし、あと一歩まで追いつめていた
「これほどとは!?」
「もらったっ!」
 だがその瞬間──もうおわかりですね
「オーバーロード!?」
 言わんこっちゃなかった。身動きとれなくなり、海にぶちおちたダブルオー
サーベルをつきつけられ、これまでかと思われたが
完全な状態の相手とやれなければ意味がないとばかりにブシドーは戦線離脱した
 せっかくのチャンスをふいにしたブシドーに舌打ちし、ジニン大尉がとどめにむかうが
「刹那!」
ケルディムとセラヴィーの支援により、近づくどころかGN−Xを1機撃墜される結果に
「ツインドライヴが……」
 ごめん壊しちゃった、とはとてもいえない刹那
まああのままだったらやられてたかもしれないし、結果オーライといえる
「ガンダム全機、後退して。敵の連携を分断させるわ。魚雷で高濃度粒子とスモークを」
 スメラギさんは めをさました! スメラギさんは せんじゅつプランをたてた!
 プトレマイオス2のGNりゅうし! アロウズは まぼろしにつつまれた!
「有視界通信が!」
(ここにきて戦術を変えた……?)
 マネキン大佐は当惑しつつも撤退指示を出した。アロウズはひきあげていき、作戦は成功
しかしソレスタルビーイング側には重大な問題が発生していた

「アリオスの反応がないですって!?」
 ブリッジに戻ったスメラギは、みんなに身体を心配されつつもさっそく捜索の指示を出した

「ミスター・ブシドー! いくらなんでも勝手がすぎる!」
「聞く耳もたぬ」
 もうジニン大尉こいつ背中から撃っちゃうといいよ
 そしてルイスとアンドレイも、ピーリス機のMIA《戦闘中行方不明》を聞かされ動揺する
「ピーリス中尉のアヘッドをロスト……? そんな」
 しかしいちばんうろたえていたのはマネキン大佐であった
(スミルノフ大佐に、なんと報告すれば……!)
 あのひと怒らせるとめちゃくちゃ怖いのに……かんべんしてよもう
そんな感じでわなわな震えるカティさん。気の毒に

 いっぽうリューミンさんに支援提供されたトラックで無事移動中のカタロン組は
ガンダムたちの活躍で難を逃れたことでひと安心。ひとりマリナだけが憂い顔

「う……マリーは!?」
 組みあったまま森林に不時着したアリオスとアヘッド。先にコクピット内で
目を醒ましたのはアレルヤのほうだった。機体を降りアヘッドのハッチを開き
無事を確認しようとした瞬間、目を開けて襲いかかってくるソーマくん
「やめるんだ、マリー!」
「MSがなくともーっ!!」
鋭い手刀をかわすが、反撃しないアレルヤはけっきょく組み伏せられてしまった
「できそこないのきさまなどに……!?」
 馬乗りになりとどめをさそうとした瞬間、ふたたび襲う頭痛
鉄雄ばりに苦しみはじめるソーマくん
「! あっ……ああっ……!」
「マリー、マリー! マリー・パーファシー!!」
 その呼びかけが、ソーマ・ピーリスからなにかの記憶を呼びさました
(マリー……マリー……マリー! マリィーッ!)
 ソーマの記憶に存在しないはずの、超人機関施設内でのアレルヤの表情がうかぶ
ヴィジョンとともに襲ってくる激痛に身をよじり、髪をふり乱す
これがソーマ・ピーリスのとったさいごの行動だとしたら、まさにソーマ灯だった
 ごめんなさい

「マリー!?」
 今週何回マリーって言ってるんでしょうかアレルヤ
「……」
 静けさをとりもどし、ふたたびアレルヤへ視線を向けるその表情は
うってかわって柔和なものとなっていた。ていうかややタレ目ぎみになった
「アレ、ルヤ──」
「マリー……ぼくのことが?」
「アレ、ルヤ……」
「マリー? マリー! マリー・パーファシー!」
 ほんと今週何回マリーって言ってるんでしょうかアレルヤ
あとだいじなときはフルネームで呼ぶのがガンダム00のマナー

「大佐! なにもみずからお出にならなくても」
「離れていろ」
 そして連邦艦からは娘の危機を超感覚で察知したセルゲイ大佐が
連邦仕様のGN−X3で出撃する
「中尉……!」

 いっぽう、記録をたよりにソーマくんを捜していたルイスと小熊へは
捜索打ち切りの命令がくだる。捜索任務は正規軍にまかせておけというわけだ
MIA《ミッシング・イン・アクション》……まあ確認してないけど、戦死でしょ……ってことだな
ルイスはガンダムへの怨みを新たにするのだった

 だがトレミー側はそうもいかなかった。いかにまっ先に新型ガンダムを
傷ものにしてしまったイマイチ感あふれるアレルヤといえども
貴重な戦力であり、なによりたいせつななまかだ。慎吾空が言ってました
「アロウズとの戦闘は極力避けて。捜索に専念して」
 ケルディムとセラヴィーが探索の任に就き、刹那はおやっさんに怒られた
「ツインドライヴが稼動状態にあるからいいようなものの」
「修理を頼む。アレルヤが」
 刹那くんあやまらない。おやっさんは頭をかきかき困り顔だった
使うなって言わないほうが使わなかったかもなあと反省していたのかもしれない
「! こっちだ」
「はい」
 すっかりアシスタントが板についた沙慈くんがダブルオーの整備にやってくる
「沙慈・クロスロード? いいのか、おまえはガンダムを」
「……カタロンのひとたちが、無事に逃げられるまでは、なんでもやるよ……」
 ケルディムとセラヴィーの飛ぶ空は、かれらの未来を暗示するがごとく
どんよりと暗雲たれこめていた。ティエリアがつぶやく
「雨か……」
 そしてCMか……



(アレルヤ。アレルヤ? アレルヤ──)
 ある日の超人機関の記憶。ものいわぬマリーの脳量子波の呼びかけに
いつも応えてくれていた『声』が、聴こえなくなっていた
 マリー・パーファシーが目を醒ますとそこはテントのなかだった
ガンダムは単独行動も多く、サバイバル用品一式も常備しているわけだ
「ここは……」
「マリー……目が、醒めたんだね」
 テントに帰ってきたアレルヤが、二重の意味でマリーに言った
「ええ。アレルヤ」
 MSは2機とも応急修理不可能な状態にあった。これは好都合
などといらんことをアレルヤはさすがに言わなかった
「救助が来るといいんだけど……」
 適度に遅いともっといいんだけど、などとアレルヤはさすがに以下略
「訊いていいかな? なぜ、きみがソーマ・ピーリスだったのか」
「おそらく、ちがう人格を植えつけ、喪っていた五感を復元させたんだと思う」
 ジロン・アモスなら『そんなあほなことができるの?』とか言ってたところだ
「超人機関は、わたしを軍に送りだすことで、組織の存続を図ろうとしたのね」
「なんて卑劣な……」
「でも、そのおかげで、あなたの顔をはじめて見ることができた
 あなただってすぐにわかった。脳量子波のおかげかしら?」
 ソーマくんの顔でやさしげに微笑まれると視聴者はなんだかおちつかない
「ぼくも、きみとことばが交わせるようになるなんて、思ってもいなかったよ」
「ねえ、わたしにも聞かせて。どうしてたの? 超人機関を脱出してから……」
 ついに明かされる、みんな気になっていたアレルヤの過去と仲間殺しの真相
「処分をまぬがれようとして、仲間といっしょに施設から逃げたんだ
 きみを連れていかなかったことを、さいしょは後悔した──
 でも、それでよかったんだ」
「なにが……あったの?」
「仲間と輸送船を奪ってコロニーから脱出した。でも行くあてなんてどこにもない
ぼくたちは漂流をつづけ、やがて艦内の酸素や食料が底をつき、そして……!」
『やだ、死にたくない! アレルヤ! アレルヤ!』
『だぁめだ! おまえは死ぬんだ』
『アレルヤ……』
『ちがう。おれの名は──』
 ファンにはこの回想シーンをご記憶のかたも多いことでしょう
ありし日のハレルヤ・アプティズムが仲間を殺すにいたったのには
やむをえない事情がいちおうあったのだった。でもうれしそうだけど
 マリーはアレルヤが廃棄される理由となったハレルヤの発現を知っていた
だがハレルヤもアレルヤの一部。つまりアレルヤである以上ハレルヤでもあり
ハレルヤなくしてアレルヤはありえなかった。ハレルヤを喪ったいまのアレルヤは
アレルヤ・ハプティズムとしては不完全なアレルヤなのだ
なんか書いてて頭がこんがらがってきたのでこのぐらいにしておきたい
「唯一生き残ったぼくは、運命を呪った……超人機関を、この世界を
 だから、世界を変えようとガンダムマイスターになることを受け容れたんだ
 超兵にできることは、戦うことしかないから」
 それは奇しくもソーマくんの言っていたことと同様であった
「マリー、ソーマ・ピーリスのときの記憶は……」
「あるわ。かのじょの人格も」
「だったらわかるだろ。ぼくのしたことも……」
 そう。超人機関襲撃ミッションにおいて、アレルヤは過去を清算するため
ハレルヤではなく、アレルヤ自身として、その手でひきがねをひいたのだ
「殺したんだ……仲間を、同胞を、この手で……みんなの命をにども奪ったんだ」
 視えない血の汚れがそこにあるかのように、アレルヤが見つめる手のひらを
マリーの両手がやさしく包みこんだ
「わたしだっておなじ。わたしは、あなたをいちど殺してる……
 あのときの攻撃で、わたしはもうひとりのあなたを。ハレルヤを……
 この傷をつけたのは──」
 マリーがアレルヤの前髪をかきわけると、右目の上に傷痕があった
それにしてもずいぶんよく把握してます。これも脳量子波のなせる業か
 アレルヤはそれを否定しようとするが、マリーはそれに対し
「あなたとおなじで、ピーリスはわたしなの。だから……ごめんなさい」
 マリーはアレルヤの半身を殺した罪悪感にさいなまれており
どう接したらいいのかわからないよ状態
アレルヤもソーマ=マリーだと知り夢中で助けたはいいが、そのあとのことを
考えてなどいなかった。戦う以外を知らない超兵どうし、途方に暮れるふたり
「いてくれるだけで、うれしいの……」
「マリー……」
「だって、あなたに出逢えたのよ? 五感がなく、脳量子波で叫ぶしかないわたしに
 反応してくれたのはあなただけ。あなたのおかげで、わたしは生きていることに
 感謝できたの。そんなあなたを、この目で見つめることができる。話すことも
 触れることだって……こんなときがおとずれるなんて……!」
「マリー……!」
「神よ、感謝します。アレルヤ」
 マリーはアレルヤの手を握ったまま、感謝の祈りを捧げるように目を閉じた
 気のせいかテントのなかに光が射したように見える。と思ったらMSのライトだった
丸腰でテントを出るふたり。やっぱりふたりともちょっと疲れているようです
「連邦軍?」
「あの機体……!」
 GN−X3のコクピット・ハッチが開き、パイロットがヘルメットをはずした
「中尉!」
「大佐!?」
「知り合いなのか?」
 駆け寄るマリーと追うアレルヤ。コクピットを降りるセルゲイ大佐も
ソーマくんが男連れなのを見てけげんそうな顔をする
「ん……? その声……!」
 これもファンのみなさんは鮮明に記憶していることと思う
落下するコロニーの重力ブロックをアレルヤが押して人類に心の光を見せたり
見せなかったりしてサジルイを救ったあの事件のとき
セルゲイさんはアレルヤの声を聴いているのだった。よくおぼえてますねみんな
「そうか。きみがあのときのガンダムパイロットか……
 中尉から離れろ! ソレスタルビーイング!」
 それはそれこれはこれの精神で拳銃をかまえる大佐だった
ああやっぱり、とアレルヤは思ったとか思わなかったとか

 そのころクラウスたちはカタロンの別支部へ無事到着していた
そこで連邦政府が中東再編へ本格的に乗りだしてきたことが告げられる
そしてマリナ姫にとっては最大級にショックな情報がもたらされた
『襲撃を受けた』アザディスタンに正規軍がのりこみ、暫定政権を樹立させたのだ
「残念ながら事実です。もはや、アザディスタン王国は存在しません」
 愕然とその場にくずれおちるマリナ・イスマイール元皇女
「そんな……アザディスタンが……!」
 シーリンもクラウスも、そんなマリナの姿に表情をくもらせるのだった

 降りつづく雨のなか、銃を向けたまま大佐とアレルヤ、マリーの会話はつづく
「人格を上から書きかえただと?」
 人革だけに、とかここで言ったら撃たれるだろうなあ
刹那ならこういうことを考えたかもしれないがアレルヤはそんな子ではなかった
もちろんこのサイト以外での刹那もそんな子ではない。残念だ
「マリー……それが中尉のほんとうの名か。超人機関はそんなことまで!」
「マリーはやさしい女の子です。ひとを殺めるような子じゃない
 マリーはあなたに渡せない。連邦やアロウズに戻ったら
 かのじょはまた超兵として扱われる!」
 ちょっといやな予感がしてきた流れ
「だがきみはソレスタルビーイングだ。きみといても中尉は戦いに巻きこまれる
 テロリストの言うことを信じるほどわたしは愚かではない!」
 撃鉄を起こすセルゲイさん
「わたしはきみの──いや、きみたちのばかげた行いによって
 多くの同胞や部下を喪っている! その怨み、忘れたわけではない!」
「やめてください、大佐!」
「撃ってください。そのかわり、マリーを……いえ、ソーマ・ピーリスを
 にどと争いに巻きこまないと誓ってください」
 けっして戦争とかMSとか……そんな死ぬようなこととはぜったい遠い
 あったかくてやさしい世界へかのじょを帰すって……もういいね
「なにを、シ……じゃなかったアレルヤ……」
「いいんだステ……マリー。きみが幸せでいてくれるなら」
 そのやりとりを無言で見つめていた大佐に、アレルヤはもういちど向きなおる
「撃ってください」
「……承知した!」
 トリガーをひきしぼるセルゲイ・スミルノフ

「いやああっ!!」

 雨のなかを、銃声が轟きわたった
 アレルヤのまえに、とっさに両腕を広げ飛びだしたマリー・パーファシーが
そのままゆっくりと倒れていく姿があった
「マリー!!」
 と思いきや
「……?」
 硝煙をくゆらせるセルゲイ大佐の銃口は、射撃の瞬間、空へと向けられていた
「……! 大佐?」
「たったいま、ソーマ・ピーリス中尉は名誉の戦死を遂げた
 上層部に報告すべく、帰投する」
 背を向け、立ち去ろうとする大佐がふと足を止め、アレルヤに言う
「……そういえば礼を言っていなかったな。5年まえ、低軌道ステーションの事故
 救助活動に参加してくれたこと、感謝する」
「大佐!」
 こんどこそ帰ろうとした大佐の背中に、マリーはもういちど呼びかけた
「スミルノフ大佐! ソーマ・ピーリスを、対ガンダム戦だけに徴用し……
 ほかの作戦に参加させなかったこと……感謝しています!
 それから……わたしのなかのソーマ・ピーリスがこう言っています
『あなたの娘に、なりたかった』と」
「そうか……」
 ふりかえったセルゲイ大佐は、さみしそうに笑っていた
「そのことばだけでじゅうぶんだ……!」
 マリーはその瞬間、感極まり
「っ……! 大佐あっ!!」
 大佐の胸にとびこんでいった。その頭をやさしく撫でる大佐
「生きてくれ……生きつづけてくれ。かれと、幸せにな」
 ちょっとムリがありすぎる展開という気もしないでもないが、アロウズよりは
アレルヤのほうが信用できるとセルゲイは考えたのだ、そういうことなのだ
そして敬礼をかわしあい、父娘のさいごの別れとなった
 見送られながらGN−X3に乗り、帰還するセルゲイの脳裏を過去の思い出が
かけめぐる。前シーズンにおけるサジルイの別れとおなじようなノリだ
これがほんとうのソーマ灯その2。かかる挿入歌はトミヘブである
 セルゲイ機が飛び去って、敬礼していたマリーの手をとり、涙を拭うアレルヤ
いつしか降りしきっていた雨はやみ、空には光がさしはじめた

「海に墜ちてたら、捜しようがねえな……」
「テッキセッキン! テッキセッキン!」
「なに!? 正規軍か……」
 ロックオンのケルディムは相手のGN−X3が攻撃の意思のないことと
光通信によってアリオスの位置を示したのを確認し、そのまますれちがった
「ピーリス……」
 コクピット内のセルゲイさんが泣いていたのかどうか、それはだれにもわからない

 そしてロックオンは見つけたアレルヤがひとりではないことに気づき
「……ははっ、やるじゃないか」
 キスシーンのまっ最中。見つけたのがロックオンでよかったですねと思いつつ

 ♪イイーイイーイイイイーイイーイイイーイージュンシンーサガー

 アレルヤとマリー発見の報は、ちょっとした驚きとともにトレミーにも伝わり
もちろん他地域で捜索中のティエリアにも伝わった。でもなんでMS降りてんだろ
「そうか……アレルヤ・ハプティズムは見つかったか」
「それは吉報だね」
 声をかけられ、あわてて顔を隠すティエリア
「だれだっ!? なぜ、ここにいることが──」
「同類だからわかるのさ」
 その姿は、なんとティエリアにそっくりであった
ちゃんとそっくりというつもりで描いているとわかって視聴者も安心である
あとティエリアはリジェネの存在を知らなかったのもわかった
「まさか……きみは……!」
「イノヴェイター、リジェネ・レジェッタ」
「イノヴェイター……!」
 さあ長いこと謎の存在であったイノヴェイターの正体がいよいよ明かされるのか



32.再会と離別と Closed


○キャラクター
●刹那・F・セイエイ、沙慈・クロスロード
「きみでも、笑うんだ」
「うれしいことがあれば、だれだって笑うさ……」
・じりじりと理解が深まってきました
 └ダブルオーが沙慈くんの精神コマンドを使えるようになる日も近いな
●アレルヤ・ハプティズム、マリー・パーファシー
「ありがとう、生きていてくれて。ありがとう、こんなぼくに、生きがいをくれて」
「アレルヤ……」
・こんなにとんとん拍子で再会してだいじょうぶなのか?
 └かえって今後不幸な展開が待っていないわけがない気がするぞ
  └じゃあまえフリとしてラヴコメ寸劇がたっぷり愉しめるわけだな
   └かんべんしてください!?
・あばよソーマよろしくマリー、合体してソーリーってとこかな
 └だがこれがさいごのソーマくんの出番とは思えない。思いたくないともいう
  └もと二重人格どうしのカップルって過去になんかあったっけか……
   └どうだろう? 二重人格は1作にひとりだけという暗黙のルールが
    └初めて聴いたよそんなの
●ティエリア・アーデ、リジェネ・レジェッタ
「な、なぜだ……? なぜ、ぼくとおなじ容姿をしている」
「それはDNAがおなじだからさ。塩基配列パターン、0988タイプ」
・イノヴェイターとはけっきょくなんなんでしょうか
 └非常に精巧な生体情報端末かなにかなのかな
  └ハロのシンセキ?
   └……これは新しい!
●ロックオン・ストラトス、ハロ
「アレルヤハッケン! アレルヤハッケン!」
「なんだあ? さんざん捜しまわらせといて女連れか?」
・新ロックオンもそろそろスパイネタ以外にエピソードが出てきますかね
 └あとがつかえていますな、いろいろと
●ミスター・ブシドー
「なんと……機体が万全ではないとは? ならば斬る価値もなし!」
・そんなことやってるから勝てないんだ! 勝てないんだ!
 └ひとりドラグナーと呼びましょう
●スメラギ・李・ノリエガほかトレミーのみなさん
「ほおー! なんかカノジョさんといっしょみたいです!」
「か、カノジョお!?」
「どうしてっ!?」
「……あの子ったら、なにやってるのよ!!」
・スメラギさんとアレルヤが飲み仲間になってるのがおもしろくないマリーが
 飲めないのにふたりにつきあって飲もうとしてゆかいな酔いかたをする
 そんな展開を所望したいです
 └かんべんしてほしいんじゃなかったのか
  └ファン心理は複雑なんだ。あとフェルトとラッセかわいすぎじゃない?
●マリナ・イスマイール、シーリン・バフティヤール、クラウス・グラード
「追っ手はなさそうね」
「アロウズを退けてくれたのか、ソレスタルビーイング」
「刹那……」
・マリナさん、今後の身のふりかたはいかに!?
 └ていうか、家族とかどうなってんのか。天涯孤独か
●セルゲイ・スミルノフ、ソーマ・ピーリス
「その言いかた……ほんとうにわたしの知っている中尉ではないのだな……」
「あなたの娘に、なりたかった」
・さすがにそれはアロウズに不信感持ちすぎだろうと思うよ大佐!
 └オートマトン作戦で死にそうな顔してたのがよっぽど気になったのだろう
  └それと、ほんとうの娘のように思ってるのにほんとうの親じゃないから
   逆に遠慮が働きまくった男心か
   └これがただの部下だったらアレルヤ撃って連れ帰ってたかもしれんな
●アンドレイ・スミルノフ、ルイス・ハレヴィ
「先行しすぎだ、准尉! 距離をとる……命令だ!」
「どれもこれも、ガンダム……!」
・ルイスのガンダム復讐手帳がまた1ページ
 └『いつも使ってる自販機でメロンソーダが切れてた。ガンダム赦せない』
  └……5年まえとあんまり変わってないなルイス?
●カティ・マネキン、アーバ・リント
「中尉の捜索を打ち切った!?」
「上層部の以降です。わが隊は、ソレスタルビーイングの攻撃に専念せよ、と」
・『すみませんスミルノフ大佐……お預かりしていたピーリス中尉を……
  しかもその戦死を確認したのが大佐だったとは……』
 『あ、ああ……うん……いや、いいんだ……はあ……』
 その落ちこみぶりをかんちがいしたカティさんはさらに責任を感じるわけです
 └妄想たくましいな
  └ここでコーラサワーが救いとなるわけですよ! サンドバッグとして!
   └コーラサワー! はやく!
    └むしろはやく逃げてって言ってやれ
●バラック・ジニン
「ミスター!? ええい、各機2個つきを包囲だ!」
・第2シーズン最大の苦労人キャラが板についてきました
 └ブシドーに対する感想がシンクロするので視聴者も同情しまくりだ
○メカニック
●ダブルオーガンダム
・CMにもオーライザー登場。沙慈くんが乗ることになると信じきってます
 └それで精神コマンドうんぬんと言っていたのか、気がはええ
●セラヴィーガンダム、ケルディムガンダム
・とくに書くことがないので予告編に出てきた緑の機体の話でも!
 └あれがガデッサってやつか。なにやらごつい武器しょってたけど飛び道具かな
●アリオスガンダム
・これでソーマくんとの戦闘はなくなったわけで、多少は活躍が増えるといいが
 └ハレルヤが復活しないかぎりはこのまんまじゃ……
●GN−X3、アヘッド
・ブシドー機は正真正銘サーベルしか持ってないみたいです
 └ゲームのとおりなのか。エピオンすらヒートロッドがあるのに
  └スパーク・ウィンドとかいう謎の飛び道具もあるのに
   └SFC版でだけな
●プトレマイオス2
・アークエンジェルなみの回避能力を発揮しました!
 ├なんか今回このコーナーSEEDネタ多くない? 多くてもいいけど
 └ともあれ、やはりガンダムの母艦はこうあるべきだ
○総評
・ちょっと銃をつきつけて緊張感を持たせる会話演出に頼りすぎでない?
 最近さすがにもう『またか』と思ってるんだよね
 └安易に殺すよりはいいじゃないの
  └殺す殺さないとはまたちがう意味で、これはやっぱり気にかかるぜ
   └わんぱたーんすぎるとオードーとおりこしてシードーになっちゃうから?
    └うまくねえ! うまいこと言えてねえからそれ!
●次回予告
 ティエリア・アーデ、リボンズ・アルマーク
 革新するふたつの存在が、ついに相まみえる
 次回「無垢なる歪み」
 イオリアの計画が加速する

 ・ついにストーリーに関わりはじめるイノヴェイターたち
  そしてティエリアたちのオリジナルっぽい女性の姿やら
  └でもそんなあれこれをすっとばす、頬を赤らめたアレルヤとマリーの
   あのインパクトはどうかね……
   └なんだか喜んでるやつがむだに多そうです! 今後つき落とされるのに!
    └決めつけんなと言ってるだろ



GUNDAM-00■
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